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 南部如月流茶道指南 三条みゆき その七十七



 蜘蛛屋敷の奥深く、 南部如月流理事長黒柳源蔵と新茶道への改革を求める若き茶道指南三条みゆきの戦いはまるでナポレオンが愛した妻ジョゼフィーヌとの歪な関係を思わせる偏屈な性戯の絆を求めて限りなく続いていた。

 その二人の答えを導くように圧倒的なナポレオン軍の猛攻にロシア軍は敗走を続けていたのだ。 勇猛なナポレオン軍を迎え撃ち祖国レニングラードの戦いに散ったロシアの若き悲劇の作曲家ラッセル。 悲しいまでにその楽曲には祖国ロシアを守る魂の祈りが込められていたのだった。
 1812年、その祖国は大地を凍らす厳寒の中聖地モスクワまで自ら焼き棄てたロシア民族の過酷な戦いの末ついにナポレオン軍は敗走しロシアの大地に勝利の歓喜が溢れたのである。 ラッセルは戦死する前に其れを予期していたのだろうか。 怒涛の如く押し寄せるナポレオン軍に怯える様を描いた悲壮なフォルテで始まるこのピアノコンチェルトの第一楽章も今流れる第三楽章では勝利を祝う歓喜の喜びを表すピアニッシモの美しい旋律に変わっていた。 不思議な事にその勝利の歓喜が源蔵の喜びを重ね合わせるように今この服従の部屋に誇り高く流れていたのであった。
 南部如月流最高実力者 黒柳源蔵の大きく開かれた下半身に今喩えようも無い最高の喜びが訪れようとしていたのだ。
 うっ、くっ、くっ、  あぁ、 嬉しい、 嬉しいもんじゃ、 みっ、みゆきさん  其のまま、 もっ、もう少し、 もう少し下の方もお願い出来るかな、  あぁ、 みゆきさん、 もう少し下の方を、 源蔵は三条みゆきの眼の前に剥き出しの下半身を大きく突き出しこれ以上ない程卑猥に欲望の鬼武者をそそり立てていたのだ。
 両手に猛り狂う源蔵のドクドクと脈打つ肉棒をギュッと握りしめ夢中で其の先端を舐めていたみゆきにも其の声は聴こえていた。
 えっ、 先生、 なっ、何ですか?  もっ、もっと下の方って、  みゆきは一瞬戸惑ったが源蔵が何を求めているのかは分っていた。 源蔵が求めた下の方とはあのグロテスクにうねうねと蠢く二つの卵の事だったからだ。
 みゆきは恥ずかしかったのかその卑猥な要求をわざと分からない振りをするように訊き返した。 先生、下って、 下って此処の事ですか、 みゆきは右手の指で源蔵の剥き出しになった二つの卵を包んだ袋を突付きながら言ったのだ。
 アッ、 うっ うぅ  うぐっ、 源蔵は突然自分の大事な卵を指で突付かれて唸ってしまった。 なっ、なんと、このわしの大事なモノを指で突付くとは、 源蔵はそう思いながらも悪い気にはならなかった。 むしろそんな男慣れしない三条みゆきの初心とも思える大胆な仕草は源蔵の心を喜ばせていたのだろう。 
 みゆきさん、 悪いが其処も同じ様にお願い出来るかな、 源蔵は腰を捩りながら何故か顔に似合わぬ甘える様な声で言ったのだ。 しかしみゆきはもうそんな卑猥な源蔵の要求にも驚く事はなかった。
 嵯峨野旅館のティッシュで源蔵のおぞましい肉棒を綺麗に拭いた時みゆきには分かっていたのだろう。 あの時みゆきはこの二つの卵の入った袋も丁寧な所作で拭いていたのだ。 みゆきは其の時以前読んだ女性誌に書いてあった女が知らない男性が喜ぶ最も恥ずかしい行為と云う特集記事を思い出しながら自分も興味深く想像していたのかも知れない。 みゆきは源蔵の一番喜ぶ処がこの二つの卵だと知っていたからだ。 理事長は私に此処を口で?  まっ、まさか、 そんな事、 でもそうだわ  此処を私の口でするように求めてくる、 そうよ、 絶対そうに決まってるわ、  そんなイヤらしい要求をするに決まってる、 きっとよ、 みゆきは分かっていたのかも知れない。 その為だろうか、清潔な身体を求める様に源蔵の足を大きく開き其処を丁寧な所作で拭いていたのだった。
 伝統に生きる女らしく美しい振舞に清楚な身のこなしを凛として守るみゆきの事だ。 理事長の嫌らしく卑猥な要求にも耐え抜いた三条みゆきにはもうこの時女の恥じらいに身を屈めた弱い女の姿は無かったのかも知れない。
 みゆきがそんな思いを懐いている事も知らず源蔵は椅子の上で未だ経験した事も無いシルクシソーラーの夢のような感触に我を忘れ歓喜に酔い痴れていたのだ。 そして自分の最も喜びを感じる二つの卵にもその絹舌の歓喜の喜びを求めたのだった。 
 う~ん、 やはりそうじゃったか、 その時源蔵はみゆきに自分の足を舐めさせた時の事を思い出していたのだった。 
 源蔵は多くの女に自分の足を舐めさせ其処に女を服従させる喜びを感じていた。 しかしこの三条みゆきに自分の足を舐めさせた時服従の喜びどころか飛び上がる程くすぐったさを感じてしまったのだ。 源蔵にとって其の感触は大きな驚きであり想像も出来ない初めての体験だったのである。 あの時源蔵は性の喜びどころかまるで知らずに生きたウナギを踏んでしまった様な何とも云えぬヌュルっとした感触を憶えたのだ。  何故じゃ、何故じゃと源蔵は不思議そうに舐められた足のくすぐったさを床に擦りつけながら思っていたのだった。
 う~ん、、やっぱりそうじゃ、 どうりであの舌がわしの足をビックリさせたか分ったわ、 そりゃ 足もビックリもするはずじゃ、 う~ん、やはりこの娘の舌は大変なモノじゃ、 源蔵は其の時のくすぐったさを思い出す様に自分の足を動かしていたのだった。
 わしとした事が、 うんうん、 そうじゃ、 あんなヌュルヌュルした舌で舐められたらたまらんわ、 くっ、くっ、くっ、 源蔵も其れは無理も無い事じゃと喜びの中で感じていたのだった。 シルクシソーラー、この特殊な能力を持った三条みゆきの絹の舌で自分の卵も舐めて欲しい、 いや、舐めさせたい、 あぁ、 あのニュルニュルの絹舌でわしの卵を、 あぁ、 わしの卵を、 ううっ、 あぁ、 絶対舐めさせたい、 源蔵は思った。
 先生、分りましたから、 こっ、 此処を、 此処を同じ様にすれば良いんですね、 みゆきの声が源蔵の耳に心地よく聴こえて来た。 
 うっ、くっ、くっ、 源蔵は嬉しかった、この三条みゆきが素直に自分の卵を舐めてくれようとしているのだ。 其れは源蔵にとって最高の喜びの瞬間でもあっただろう。  うぅっ、 どんなもんじゃろう、 くっ、くっ、くっ、あぁ、 どんなもんじゃろう、 あぁ、 どんなもんじゃろう、 源蔵は三条みゆきのあの絹舌が自分の二つの卵を舐める喜びを想像しながら股間を熱くしたのだった。
 みゆきの両手が源蔵の悪戯な肉坊から離れていくのを感じていた。 あぁ、 来る、 あぁ、 嬉しい、 愈々じゃ、 あぁ~嬉しいもんじゃ、 源蔵は天井に写るみゆきの裸体をみながら期待に胸を膨らませていたのだ。
 その時だった。
 うっ、 なっ、なんじゃろう、 此れはみゆきの鼻息か、 源蔵は股間の二つの卵に清々しい風が当たるのを感じたのだった。 うっ、 愈々じゃ、 あぁ、 来る、 来る、 さっ、三条みゆきの舌が、 あの三条みゆきの舌がわしのモノを、  あぁ、 源蔵は堪らず心臓をドキドキさせながらその歓喜の瞬間を迎えていた。 
 うん? こっ、此れは指か、 うん、うん、 指じゃ、 うっ、くっ、くっ、 三条みゆきの柔らかい指がわしの卵を、 わしの大事な卵を触ってるんじゃな、 あぁ、 嬉しい、 嬉しいもんじゃ、 源蔵の下半身は最高の喜びを感じていたのだった。 
 だが源蔵の期待は脆くも崩れ三条みゆきの舌は夢から覚める様に源蔵の卑猥な肉坊から遠のいていったのだった。
 うん? 何じゃ、 アレッ、 どうしたんじゃ、 みゆきの身体は何故か其処で止まっていたのだ。 うぅっ、 じれったいもんじゃ、 うくっ、 じれったいもんじゃ、 
 あ~、あぁ~ 源蔵は其の喜びを待てないかのように熱く盛り上り暴れ狂う肉棒を自分のお腹に打ち付けながらそのグロテスクな袋をみゆきの顔の眼の前に突き出していったのだ。 
 さぁ、 みゆきさん、 お願いじゃ、 そっ、其処を、 其処を、 源蔵が喜びを求める様にみゆきの眼の前に下半身を突き出した瞬間だった。 
 うぎゃ~  あ~~ ぎゃぁ~~いっ、、いった~い~~あ~~いっ、いた~~い~~
蜘蛛屋敷の奥深く、源蔵の恐怖の悲鳴が鳴り響いたのであった。
 みっ、みゆきさん、 みゆきさん、、あ~ あぁ~~みゆきさん~~いっ、いっ~た~い うぎゃ~~ みっ、みゆきさん、 うっぐ、 あぁ、 うっ、 うぎゃぁ、 みゆきさん、 痛い、 あぁ、 いっ、 いったぁ~い~もんじゃ~
 源蔵の大きく開いた両足はみゆきの裸体の前で天を突くようにヒクヒクと痙攣していた。 あぁ、 なっ、なんじゃ、 何の真似じゃ、 みゆきさん、 いっ、 痛かった、 みゆきさん、 本当に、 あぁ、本当に、 あぁ、 最高に痛かったもんじゃ、 源蔵の声は怯えるように震えていたのだった。  
 うふっ、 少しきつかったかしら、 美しく透き通った眼に薄笑いを浮べながら三条みゆきは源蔵の引き攣った顔を冷静に眺めていた。 みゆきの眼には源蔵の引き攣った眼から涙のような光るものが流れ出ているのが見えていたのだ。 
 ええっ?  まっ、まさか、 先生が泣いてる?  嘘よ、  そんなに痛かったなんて信じられないわ、 みゆきには大声を挙げて絶叫する理事長の姿が余りにも大袈裟に感じていたのだ。  しかし今其の理事長の身体が無残に痙攣し痛かった痛かったもんじゃと子供のように涙を流す姿を見て思ったのだった。
 本当に泣いてるのかしら、 いえっ、 嘘だわ、 きっと嘘に決まってる、 演技をしてるんだわ、 みゆきは思った。 
 みゆきが源蔵の二つの卵を握っていた其の時だった。 理事長の顔が僅かに笑っている様に見えていたのだ。   えっ、 何よ、 笑ってるの ? そう、 そんなに嬉しいのならもっとしてあげるわ、  もう許さない、 絶対許さないから、  理事長の笑った顔を見た瞬間プライド高い茶道指南三条みゆきは怒りが込上げて来たのだろうか、 悪戯のつもりに軽く手に握っていた源蔵の命の卵が恐怖につぶれる程力強く握り〆られた事は云うまでもなかっただろう。  しかしこの時源蔵は笑っていた訳ではなかったのだ、 初心な娘が加減も知らずに思いっきり握られた痛さに呆れる思いに苦笑いをしただけだったのである。 源蔵は其の瞬間顔を引き攣らせ死ぬ思いに全身を痙攣させたのだった。  
 うぐっ、 うぅ、 うぎゃっ、 いっ、いったぁ~い~  みっ、みゆきさん、 ほんとに、 ほんとにいったぁい~ いっ、 いったいもんじゃ、 いったいもんじゃ~  うっ、 うぐっ、 あぁ、 死ぬ、 あぁ、 、みっ、みゆきさん、 しっ、 死ぬ、 あぁ、 死ぬ~  いったぁ~い~   あっ、 あかん、 ほっ、 本当に、 本当に痛いちゅうに、あぎゃっ、 これ、 これ、 本当に痛いっちゅうに、 あぁ、 うぎゃっ、 しっ、死ぬ、 あぁ、 死ぬっちゅうに、 みっ、みゆきさん、 いかんぞ、 ほんとに、 ほんとに痛いっちゅうに、 あぎゃっ、 みゆきさ~ん~~   源蔵の涙の絶叫にのた打ち回る哀れな姿は三条みゆきを満足させていたのだろうか。 其の痛みに堪える源蔵の悲痛な顔がみゆきの心を爽快に満足させていたのかも知れない。 
 うふっ、 何よ、 そんなに痛かったなんて信じられないわ、 理事長はきっと大袈裟なんだわ、 きっとそうに決まってる、 そうよ、 そうに決まってるわ、 騙されない、 そんな涙に騙されるものですか、  クスッ、 本当は先生も嬉しかったりして?  みゆきは思ったのだ。 
 源蔵の光る涙が悲痛の涙なのか歓喜の涙なのかは分らなかった。 しかしみゆきはそんな事はもうどちらでも良かったのかも知れない。 
 みゆきは本当に素直に源蔵の期待通り二つの卵を舐めようと舌を伸ばしたのだ。 しかし息が掛かるほど源蔵の二つの卵の眼の前に顔を近つけた瞬間あの恥辱に涙した時の事を思い出したのだった。
 あの時の恥辱とは恥ずかしく股間の毛を剃られ無理やりオシッコをさせられたあの汚辱の椅子の上での事だった。 源蔵にとっては単なる悪戯だったとしてもみゆきにとっては女の誇りまで棄て去られる恥ずかしい行為だったのである。
 源蔵はあの時非情にも涙を流し恐怖に怯えるみゆきのお尻の穴に指を突っ込む悪戯をしたのだ。  
気高く誇りを持って生きて来た三条みゆきにはそんな女性のお尻の穴に指を突っ込むような破廉恥な行為は絶対許されない事だったのだろう。 
 みゆきはその時泣きながら思ったのだ。 酷い、  酷いわ、 こんなの酷い! 許せないわ、こんなの、こんなの絶対許せない! 憶えてて下さいね、 先生、 きっと私もいつか先生と同じ様に悪戯をさせて頂きますから、 絶対です、 絶対ですから、 みゆきはその時の涙の屈辱を今源蔵の命の卵を眼の前にして急に思い出したのだった。
 先生、 あの時のお返しをさせて頂きます、 ねぇ、 先生、 覚悟して下さい、 倍返しです! みゆきは源蔵の耳に聴こえるような凛とした声をあげながら剥き出しに突き出された二つの卵を思いっきり握り〆めて仇を討ったのだった。
 
 怒涛の如く栄光の勝利を重ねたフランス軍最高司令官ナポレオンが極寒のロシアから命辛々無残な姿で逃げ帰った悲劇の夜、狂おしく愛したジョゼフィーヌがいたらどの様な思いで夫が流した涙を迎え入れたのだろうか。 一説にはこの敗戦に打ち砕かれたナポレオンは後妻マリア・ルイーザの元には直接帰らずジョゼフィーヌの館に奔ったとの説も有るのだが。   蜘蛛屋敷の奥深く、誇り高い茶道指南三条みゆきに驚愕の倍返しをされた南部如月流理事長、黒柳源蔵が流した涙は果して喜びの涙か其れともあのナポレオンの様に勝利の夢を打ち砕かれた悲劇の涙なのだろうか、 気がつけばラッセルの美しいピアノコンチェルトも何時しか第四楽章を奏でていたのであった。

  
                                                                                   
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